道路交通法の改正
自転車は、免許もなく、練習すればだれでも気軽に乗れる便利な乗り物です。しかし、その気軽さゆえに、交通ルールを無視した危険な走行をする利用者も跡を絶ちません。
自転車は、子供でも乗れる乗り物ですが、れっきとした軽車両です。一定の速度で走れば、少なからずリスクを伴うことを再度認識する必要があります。
2015年6月の道路交通法の改正により、自転車の交通ルール違反の罰則が強化されています。交通ルール違反、いわゆる一定の危険行為を反復した者が、更に自転車を運転して交通の危険を生じさせるおそれがあると認められるときは、自転車にも安全講習の受講が義務化されています。また、受講の命令に従わなかった場合は、罰金が課されます。対象者も14歳以上のものとなっています。
自転車の危険行為14類型とは
自転車の交通ルール違反となる一定の危険行為とは、以下の内容となっています。
1.信号無視~信号や警察官の手信号無視。
2.通行禁止違反~通行止めや車両進入禁止の場所は通行できません。
3.歩道用道路における車両の義務違反~歩道を通行するときは特に歩行者の安全を守る義務があります。
4.通行区分違反~道路の決められた部分を走らないこと。自転車は原則車道を通行。左側通行の義務。右側走行は違反になります。
5.路側帯通行時の歩行者の通行妨害~路側帯を通行するときは歩行者の通行を妨げてはいけません。
6.遮断踏切立ち入り~遮断機が閉じようとしているとき、閉じているとき、警報がなっているときに無理に踏切内に立ち入ってはいけません。
7.交差点安全進行義務違反等~交差点の進行等においての違反。二段階右折の義務など。
8.交差点優先車妨害等~交差点を右折するときは直進や左折する車両等が優先です。
右折時の直進、左折者への進行妨害により違反となります。
9.環状交差点安全進行義務違反等~環状交差点での交通方法による違反。車両は右回り(時計回り)の通行。
10.指定場所一時不停止等~一時停止場所では標識や標示に従い一旦停止しましょう。
11.歩道通行時の通行方法違反~自転車が標識やその他の理由で歩道を通行ができる
場合でも、歩道の車道寄りを通行し、歩行者の安全を守らなくてはいけません。
12.制動装置(ブレーキ)不良自転車運転~ブレーキ、反射板、尾灯を備えなければなりません。ブレーキのない自転車には乗ってはいけません。
13.酒酔い運転~飲酒運転禁止。少量の飲酒でも違反となる場合があります。
14.安全運転義務違反~スマホの操作をしながらやヘッドホンステレオを聴きながらの走行などが該当します。広義の意味で、安全運転義務を守る必要があります。
まとめ
上記の14の危険行為に該当する運転をしていて、自転車事故を起こした場合、運転者は歩行者等の生命・身体に対して危害を加えることの予見が可能であったと判断され、過失と取られる可能性が高くなっています。加害者には過失責任があったとされ高額の賠償義務を課せられることになりやすくなっているのです。
ふだん、何気なく利用している自転車ですが、その走行については、法律上、軽車両扱いされていることからも、きちんとルールが明文化されています。自転車保険への加入の意識を高める必要があるのと同時に安全運転を心がけ、自転車事故を起こさないようにすることが大事です。