自転車保険に加入している、または加入を考えている方は、自転車保険も保険なので、年末調整や確定申告で保険料控除ができるかどうかが気になると思います。
生命保険や地震保険は年末調整や確定申告の際、控除の対象になりますからね。
この記事では、自転車保険は年末調整や確定申告で控除の対象になるのかどうかについて説明していきますね。
年末調整の仕組み
年末調整は、雇用されている従業員に対してのみ行われるもので、勤務先の企業が行います。
年末調整に関わるのは、「所得税」という税金です。
所得税は「年間所得」の額で決まるので、所得額が大きければ税金も増えますが、1月から12月までの年間の所得額に対して課税される所得税には、所得額から差し引かれる対象となる「所得控除」というものがあります。
この所得税に関わってくるのが、年末調整です。
所得控除は、扶養者の数や自身が障害者や勤労学生であるかどうかなど、その個人に関わる部分の控除と、
支払った生命保険料、介護保険料の生命保険料控除、地震保険料の地震保険料控除があります。
これらすべての控除が差し引かれることで課税対象の所得金額が少なくなり、所得税を減らすことができるわけです。
保険料を支払っていると、その分を所得から減らして計算され(=控除され)ます。これにより年間所得が減り、支払うべき所得税が少なくなるため、税金の返還が発生するわけです。
年末調整で控除となるもの
年末調整で控除の対象となるものは、以下の内容です。
【年末調整で控除対象となるもの】
・基礎控除
・配偶者控除・配偶者特別控除
・扶養控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・社会保険料控除
・障害者控除
・ひとり親控除、寡婦控除
・勤労学生控除
年末調整で自転車保険は保険料控除の対象になるの?
結論から言うと、自転車保険は、年末調整の保険料控除の対象にはなりません。
生命保険料控除は、国が政策的に設けた所得控除であり、ある一定の生命保険に加入している場合に、税額が軽減されるという制度です。
このような観点から、自転車保険は生命保険とはみなされていないのです。
したがって、自転車保険は、年末調整で保険料控除の対象にはならないのです。
【年末調整の保険料控除の対象となるもの】
・社会保険料~健康保険料、国民年金保険料、厚生年金保険料など
・生命保険料~生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料など
・地震保険料~地震保険料(建物の火災保険に付帯し契約)
年末調整の時期が近づいてくると、保険会社から控除証明書が送られてきますが、自転車保険については、控除証明書は送られてくることはありません。
確定申告で控除できるもの
次に、年末調整の後、確定申告することで、控除できる内容について説明します。
確定申告で控除対象となるもの
【確定申告で控除対象となるもの】
・ふるさと納税などの寄附金控除
・医療費控除
・雑損控除
基本的に会社員の場合、確定申告をする必要はありませんが、これらは、年末調整後に納めすぎた所得税分として、確定申告すれば還付してもらえる場合があります。
この他に住宅ローン控除がありますが、住宅ローン控除は、初年度は確定申告をしなければなりません。2年目以降は年末調整で処理することができます。
では、自転車保険は確定申告で雑損所得、医療費控除の対象になるのか、説明していきます。
自転車保険は雑損控除の対象になるの?
雑損控除は、自身の資産について災害や盗難などで損害を受けた場合、その損失した一部を所得から差し引くことができる所得控除です。
【雑損控除の対象となる損害】
・自然災害~震災、風水害、冷害、雪害、落雷など
・人為的な災害~火災、火薬類の爆発など
・生物の異常による災害~害虫の大量発生など
・盗難
・横領
例えば、自転車の盗難、地震災害などでの損害や破損は控除対象になりますが、いずれの場合も自転車に対する控除になり、自転車保険の控除にはなりません。
したがって、確定申告で、自転車保険は雑損控除の対象にはならないのです。
自転車保険は医療費控除の対象になるの?
医療費控除は医療費として支払った金額が、ある一定額を超えた部分に対して対象となる所得控除です。
具体的には、医療費が年間10万円(所得金額が200万円未満の場合は所得金額の5%)を超えた金額が所得控除の対象になります。
自転車による事故で通院等で医療費が10万円を超えた金額は、医療費控除の対象となりますが、自転車保険は控除の対象にはならないのです。
つまり、確定申告で、自転車保険は医療費控除の対象にはならないのです。
まとめ
自転車保険については、残念ながら、年末調整でも確定申告でも、控除の対象にはなりません。
これは、自動車保険と同様の扱いです。
ただ、2006年までは所得控除に、損害保険料控除というものがあったのですが、2007年の税制改革で廃止となり、代わりに、地震保険料が控除対象になりました。
したがって、現在は、自転車保険料は保険料控除の対象にはなっていません。
au損保や楽天損保でも、自転車保険は控除対象にはなっていないため、保険料控除証明書は送られては来ませんので、気をつけましょうね。