自転車事故のリスクと自転車保険への意識について

自転車保険

自転車による交通事故の現状

現在、子供から大人まで多くの方が自転車を利用していると思います。自転車はちょっとした移動をする際に大変便利な乗り物ですし、効率的な有酸素運動ができるということで自転車通勤する方も増えているようです。通勤とダイエットが一度にできるし、ファッションとして自転車通勤をしているという人もいるかと思います。
ただ、自転車を利用する人が増えている一方、自転車用道路の整備や自転車を取り締まる交通ルールの周知徹底など、まだまだ日本では環境整備が十分とはいえません。また、自転車は乗る技術さえ身につければ誰でも利用できるという気軽さもあり、自転車事故、中でも自転車の対人事故は、大きな社会問題にもなっています。

警察庁のデータによると自転車事故の件数は、年々減少傾向ではあり、交通事故全体に占める自転車事故の比率も、2008年をピークに減少していますが、ここ数年はほぼ横ばい傾向になっています。また、自転車事故による死亡者数は、2005年を境に減少傾向にありましたが、2012年くらいからは増えたり減ったりを繰り返している状況です。

さらに、近年の高齢化社会の影響で、高齢者の死亡者数が増えてきており、今後ますます増加の傾向が予想されます。

自転車事故のこのような現状を踏まえると、やはり自転車保険での備えが必要となってくると思われます。

自転車事故を起こしたら高額賠償が必要となることも

自転車は法的には軽車両です。そのため違反による自転車事故で被害者を死傷させた場合は、刑事責任として、重過失致死罪に、民事責任として損害賠償責任を負うことになります。その場合、賠償金が高額になる可能性もあります。

実際に自転車で歩行者をはねる、自転車同士の衝突事故の加害者となった場合、損害賠償請求により、判決で数千万円もの賠償金の支払いを命じられた例もあります。また、子供が起こした自転車事故により親が賠償金を支払わなくてはならないといった場合もあります。

このようなリスクに備えるために自転車保険が存在するのですが、自転車保険の内容をきちんと理解している人は案外と少ないのが実情です。そのため、自転車保険の加入率はまだまだ十分なものとは言えないようです。

そもそも自転車保険とは?

自転車保険の補償内容としては、大きくは傷害補償や個人賠償責任補償などがあります。
特に個人賠償責任補償は非常に大事だと言えます。自転車を運転して誰かを死亡させたり、後遺症を負わせることになれば、自転車であっても多額の賠償金を支払う責任が生じてしまいます。小学生が起こした事故でも1億円近い賠償判決が出ているので、万が一に備えてしっかり加入しておくことが必要と思われます。

自転車保険は、年間1万円程度の保険料なので、決して払えない額ではないはずです。
最近は自治体によっては自転車保険の加入が義務付けられています。自転車も道路交通法上は車として扱われるので、今後はより一層義務化が全国に広がるものだと考えられます。

自動車保険の加入率は80%を超えているのに対して、自転車保険は20%程度で、まだまだ自転車事故のリスクに対する意識が低い状況です。

事故が起こってからでは遅いので、自転車事故に備えて自転車保険に加入するべきだと思います。特に子供がいる家庭には自転車保険が必要ではないでしょうか。